Bubble up project
日本で「下痢」と聞くと、薬を飲んで一晩寝ると治る様な一時的なものを想像します。日本で一般に「下痢」と呼ばれるのは、冷たいものの食べ過ぎや、消化不良による軟便のことを指す場合がほとんどです。しかし、カンボジアなどの途上国で「下痢」と言うと、コレラやチフスや赤痢など生命をも脅かす感染症のことを言います。実際、その数は減少傾向にあるものの、2015年時点で、世界中で1日に1400人※もの子どもが下痢で命を落としています。下痢で命を落とすなんて日本では想像できません。
上記のようなカンボジアの衛生における実情を調査するために、2010年春派遣でシェムリアップ州スラット村を訪れました。そして、全世帯を対象に調査を行った結果、村民の多くが下痢や腹痛であり、手洗いの習慣がないこともわかりました。そこで、同年夏からそのような状況を改善するために”石けんを用いた手洗い”をはじめとする衛生教育支援(Bubble up project)が始まりました。
※UNICEF STATISTICS (2016) "Diarrhoeal Disease"
New Project
2013年、スラット村の全村民を対象に再び調査を行ったところ、多くの村民の健康状態が改善されたことから、Bubble up projectは目標が達成されたとして、終了しました。
しかし、カンボジアでは、まだまだ”石けんを用いた”手洗いの習慣が定着していないのが現状です。さらに、手洗いだけでなく、日本では当たり前の歯磨きの習慣もなく、むし歯で歯がぼろぼろの子どもたちが多いという現状もあります。私たち
はそのような現状を変えようと、新支援地を探すとともに、カンボジア各地で歯磨き講習会を加えた衛生講習会を行っています。
また、2017年現在は、より現地のニーズに合わせた支援を行うために、スラット村を主な支援地として、衛生講習会だけでなく、家庭菜園を普及させるために新しい取り組みを始めるなど”途上国におけるいのちの保護と基本的な生活の改善"の理念のもと、新しい支援のかたちを模索しています。
Domestic
関西あおぞらプロジェクト(KAP)では、京都にある立命館大学衣笠キャンパスを中心に国内でも活動しています。
派遣に向けた話し合いのほか、アジアフェスティバルやチャリティーワールドカップイベントなど様々なイベント企画しています。